|治療・サポート
南信病院の取り組み

当院の治療は、薬物療法をはじめとした生物学的治療と、精神療法や精神科リハビリテーションなどの心理社会的治療を偏りなく組み合わせて行っています。こうした治療を回復段階に応じて実施し、複数の治療法を組み合わせながら、患者さんが望んでいる生活の実現に向けて専門職チームが日々努力しております。
精神療法
治療の第一歩は、患者さんからゆっくりお話を伺わせていただくことから始まります。患者さんが困っていること、苦しんでいることについて明らかにし、これらの問題に対して患者さんやご家族が解決していけるようにお手伝いすることが精神科治療です。なかでも、今、苦しんでいる症状への対処、自身の物の考え方のクセなどについて検討し、新しい対処の仕方を工夫しながら「心の自由を拡げる」ことが精神療法の目的です。また医師だけでなく、医療スタッフの支えを受けながら、病気や自分のもつ症状への理解を深め、精神的な安定をはかっていきます。入院では、プライマリーナース(担当看護師制)を導入しており、退院までの道のりを支えています。また薬剤師・作業療法士・精神保健福祉士などの専門職が必要に応じて個別の相談に対応しています。医師による診察は、原則週2回行われます。
薬物療法
精神科の治療方法のなかで、薬物療法は最も基本的な治療法です。薬物療法の第1の目的は、幻覚・妄想・興奮・不安・不眠などのさまざまな症状の改善にあります。第2の目的は、症状が安定した後の再発予防になります。精神疾患の多くが再発を伴う慢性疾患であり、精神科で処方されるどの薬も、症状を改善する作用だけでなく再発を防ぐ目的で処方されることがあります。薬物療法による症状の改善と再発予防は、生活の質の向上と社会復帰へつながる重要な意味をもっています。
生活指導
患者さんの症状・状態に応じて、その人らしい生活を送れるよう援助いたします。睡眠と運動習慣のコントロールをし、規則正しい生活をすることで正常な心と体のリズムを取り戻していきます。また洗濯・掃除など社会で必要な日常生活活動は、できるだけ患者さんご自身に行っていただくことで、入院されても生活感覚を失わないようにしています。人との付き合い方やコミュニケーションのとり方などを練習し、対人関係能力を改善するための入院生活技能訓練(SST;Social Skills Training)も実施されています。
栄養指導
入院患者さんの食事は管理栄養士の監修のもと、栄養バランスを考えた食事を提供しています。美味しく楽しみながら召し上がっていただけるように、行事食や季節食、選択メニュー、新メニューの導入にも力を入れています。また、必要に応じて食事量や摂取方法等の相談に応じています。